薬剤師が太陽光発電を始めてみた

土地付案件を信販でしか買えない、しがないサラリーマン。このブラック業界を副収入で生き延びようという試みの日誌

医療従事者の信用力について

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私は薬剤師です。タイトルの通り。
薬剤師を含め、医療従事者(有資格者)は一般に社会的信用が高いと言われますね。

が、太陽光1基目の融資で若干難渋した事実があります。

社会的信用っていったい何なんでしょう。
ここで、自分の信用力について少し考えてみました。

もっとも、融資を渋られた際にその理由を明かされた訳ではないので、あくまで自己分析にしかなりませんが…

まず、私の(当時の)勤務先の属性について
保険薬局のチェーンでありまして、一応株式会社ですが、非上場ですし企業規模も小さい所です。
保険薬局というと安定感が有るように見えますが、法人として見ると何時潰れてもおかしくない中小企業なんですね(これはまぁ事実ですが…)
業種も属性に関わりそうですが、保険薬局は業種としては医療機関ではなく小売業に分類されます。(日本標準産業分類(平成25年10月改定)より)
これらを総合すると、勤務先の属性はあまり良くないように思えます。

さらに、勤続年数が3年に満たない時点での申込みでしたので、私の本職の属性は割と低いということになりそうです。


ここでポイントは「勤務先法人の属性」「勤続年数」ということですが、

まず勤務先法人について、
多くの医療従事者は医療法人か学校法人に勤務することになります。これは正直どのように信用評価されるのか分かりませんが、上場企業に比べれば財務状況や経営状況が見えにくいですし、会社法人と同じ評価尺度が適用できないことから非上場企業と同等以下の評価になると考えられます。

こと薬剤師は保険薬局、ドラッグストアなどで会社法人に勤務する場合が多いですが、一般に高い信用が得られる上場企業というのはごく一部に過ぎません。
一方、製薬企業に就職できれば一部上場企業ばかりですから有利になりそうですね。


さて、勤続年数についてはどうでしょう。
実は医療従事者の雇用というのは、とても流動的であります。
看護師も臨床検査技師も薬剤師も、免許を武器により良い条件を求めて当たり前のように転職します。電車内を見ると「薬剤師転職なら…」「看護師転職の…」なんて広告も良く目に付きますが、それだけ人が動くのです。
細かいデータは割愛しますが、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によりますと、全業種平均と比べて医療従事者の平均勤続年数はかなり短いことになっています。
(医師以外は女性が多いので、ライフイベントによるキャリアの途切れが多いという背景もありますが…)
信用を得るだけの勤続年数を持たない医療従事者は比較的多いのではないでしょうか。

なお、この流動性により、労働力が市場化することで医療従事者の労働条件が保たれていると私は考えています。医療業界で労組ができてる所ってほとんどないのですが、マトモに働けるのはこの流動性、市場性のお陰と思っています。が、この仕組みが多くの医療従事者の信用力を落としているようにも見えます。


社会的信用のピラミッドの頂点にいると一般には思われているお医者様ですが、これは特殊だと思いますが…
教授センセイの一声により法人を跨いでの異動が定期的にあります。場合によりますが、2~3年程度で異動になることが多いようで、一般に信用を得るに至る3年勤続が果たせないドクターも多いようです。

確かに医療従事者の収入ベースや収入の確実性は世の中の平均より高いかもしれませんが、きちんと世の中の定規を当ててみるとそんなに信用力の高い属性ではないということなんですね。

入試の偏差値の高い大学に入って、キャンパスライフを謳歌し、立派な企業に入社して勤め上げる…という日本的標準キャリアパス
ここから外れてしまうと、後々世間の障壁が出てくるものだなぁと。

1基目の融資は最終的には資格を武器に通過出来ましたが、
資格という看板を下ろしたら何も残らないかもしれないなぁと、改めて考えさせられた一件でした。